オカメサブレをみんなが知ってるお菓子にするまで日記 第3章(2026年)
6 オランジェットの仕込み
冬は柑橘の仕入れが続きます。レモン、ネーブル、ブラッドオレンジなど今はすべての柑橘を瀬戸田の有機栽培農家セーフティフルーツさんから購入しています。 キビズのオランジェットはピールだけでなく果肉も使うのでまずすべてを輪切りにします。薄過ぎても分厚過ぎても違うのでだいたい4-5ミリくらいにしてます。加糖は一度に行うとネーブルが固くなりますので少しずつ行います。私が1番いいと思ってしているやり方はまず40%の砂糖と水を熱して溶かします。シロップができたら輪切りのネーブルをきれいに並べ入れます。少しだけ加熱します。ぜったいグラグラ煮てはいけません。火を止めて冷ます→15%の砂糖→加熱、これを4回繰り返したら100%です。その後もまだ続きます。ネーブルだけ鍋からとりだしてシロップのみを煮詰めます。煮詰めたら火を止めてネーブルを戻す→加熱(絶対にグラグラさせない)、これを何日か繰り返します。何日やるかは好きな状態になるまでです。オレンジの皮の白いところ(アルベド)まで糖が染み渡りガラスのようにとろりと透き通るまでです。私がこれがいいと思うところでやめていました。去年までは。で、今年は正確に行きます。糖度計にその甘い汁を垂らして光源に向かって覗き込みます。Brix値が分かります。私が感覚でいいと思うのはBrix値何%なのかつきとめてやろうと思いました。厳密には可溶性固形分なので糖度とは若干違うようですが私が使える機械はこれだけですしかなり近いと思います。それに、その汁がちゃんと染み込んでるのかとかまで分かるわけではないので考えだすと止まりませんが、できるだけ経験にちゃんと理論をつけていきます。今後はこれをさまざまなことに応用したいと思います。
6 オランジェットの仕込み
冬は柑橘の仕入れが続きます。レモン、ネーブル、ブラッドオレンジなど今はすべての柑橘を瀬戸田の有機栽培農家セーフティフルーツさんから購入しています。 キビズのオランジェットはピールだけでなく果肉も使うのでまずすべてを輪切りにします。薄過ぎても分厚過ぎても違うのでだいたい4-5ミリくらいにしてます。加糖は一度に行うとネーブルが固くなりますので少しずつ行います。私が1番いいと思ってしているやり方はまず40%の砂糖と水を熱して溶かします。シロップができたら輪切りのネーブルをきれいに並べ入れます。少しだけ加熱します。ぜったいグラグラ煮てはいけません。火を止めて冷ます→15%の砂糖→加熱、これを4回繰り返したら100%です。その後もまだ続きます。ネーブルだけ鍋からとりだしてシロップのみを煮詰めます。煮詰めたら火を止めてネーブルを戻す→加熱(絶対にグラグラさせない)、これを何日か繰り返します。何日やるかは好きな状態になるまでです。オレンジの皮の白いところ(アルベド)まで糖が染み渡りガラスのようにとろりと透き通るまでです。私がこれがいいと思うところでやめていました。去年までは。で、今年は正確に行きます。糖度計にその甘い汁を垂らして光源に向かって覗き込みます。Brix値が分かります。私が感覚でいいと思うのはBrix値何%なのかつきとめてやろうと思いました。厳密には可溶性固形分なので糖度とは若干違うようですが私が使える機械はこれだけですしかなり近いと思います。それに、その汁がちゃんと染み込んでるのかとかまで分かるわけではないので考えだすと止まりませんが、できるだけ経験にちゃんと理論をつけていきます。今後はこれをさまざまなことに応用したいと思います。
5 3周年を迎えました
おかげさまでキビズの実店舗は3周年を迎えました。飽きっぽい私が良くこんなに続けられたと思います。飽きている余裕などないほど生きていくために夢中だったことだけでなく、いつもキビズのお菓子を買ってくださり優しいお言葉をかけてくださるみなさまのおかげで続けられています。ありがとうございます。私は「百年」という長さに惹かれています。いまその100分の3。この店が百年目を迎えることがもしあるとしてもそれを私が見届けることはないでしょう。それでも私は今この生活が1秒でも長く続くことを願っています。ものすごい矛盾ですがこれ以上なにも減らさずなにも足さずにいられたらと思います。お菓子のことはいくら勉強しても足りないくらい本当に文化だし伝統だと思います。日頃から睡眠と食事をしっかりとってストレスをためず、お菓子を食べて純粋においしいなって思える自分でいたいといつも思っています。原材料もこだわって選びますが、いちばんだいじだと思うのはおいしさです。「おいしい!」と思う時間がすごく大事だと思います。数値であらわせない心の栄養だからです。これからも甘くかわいいお菓子を小さなお店で真面目に作っていきます。写真は店に置くため購入したオリーブの木です。4年目もどうぞよろしくお願い致します。
5 3周年を迎えました
おかげさまでキビズの実店舗は3周年を迎えました。飽きっぽい私が良くこんなに続けられたと思います。飽きている余裕などないほど生きていくために夢中だったことだけでなく、いつもキビズのお菓子を買ってくださり優しいお言葉をかけてくださるみなさまのおかげで続けられています。ありがとうございます。私は「百年」という長さに惹かれています。いまその100分の3。この店が百年目を迎えることがもしあるとしてもそれを私が見届けることはないでしょう。それでも私は今この生活が1秒でも長く続くことを願っています。ものすごい矛盾ですがこれ以上なにも減らさずなにも足さずにいられたらと思います。お菓子のことはいくら勉強しても足りないくらい本当に文化だし伝統だと思います。日頃から睡眠と食事をしっかりとってストレスをためず、お菓子を食べて純粋においしいなって思える自分でいたいといつも思っています。原材料もこだわって選びますが、いちばんだいじだと思うのはおいしさです。「おいしい!」と思う時間がすごく大事だと思います。数値であらわせない心の栄養だからです。これからも甘くかわいいお菓子を小さなお店で真面目に作っていきます。写真は店に置くため購入したオリーブの木です。4年目もどうぞよろしくお願い致します。
4 ショコラ缶の完成
有機カカオニブのクッキーを生地にココアを少し加えたバージョンで焼きました。クッキーショコラとガレット•ブルトンヌの間のグラデーショを作るための欲しかった色になりました。ガレット・ブルトンヌからの光を受けて少し明るくかがやくココアの色です。 それを缶に詰めてみました。完成だ!と思いました。 ショコラ缶を作りながら思ってたことがあります。それは私がこの仕事で伝えたいことは、こんなにいろいろなお菓子を作れるようになったという自分のスキルでも、ひたすら努力する店主の思いのたけとかでもなく、ただ光はある、ということだと思います。そして私はもとからそういう考え方のできる人だったわけではありません。自分のいるところはずっと真っ暗だと最初から決められてると思っていました。お菓子屋になったからそう思えるようになったということです。だから、この缶の中に光をいれると思いつけてよかったです。ひとつひとつちゃんと渡したいです。
4 ショコラ缶の完成
有機カカオニブのクッキーを生地にココアを少し加えたバージョンで焼きました。クッキーショコラとガレット•ブルトンヌの間のグラデーショを作るための欲しかった色になりました。ガレット・ブルトンヌからの光を受けて少し明るくかがやくココアの色です。 それを缶に詰めてみました。完成だ!と思いました。 ショコラ缶を作りながら思ってたことがあります。それは私がこの仕事で伝えたいことは、こんなにいろいろなお菓子を作れるようになったという自分のスキルでも、ひたすら努力する店主の思いのたけとかでもなく、ただ光はある、ということだと思います。そして私はもとからそういう考え方のできる人だったわけではありません。自分のいるところはずっと真っ暗だと最初から決められてると思っていました。お菓子屋になったからそう思えるようになったということです。だから、この缶の中に光をいれると思いつけてよかったです。ひとつひとつちゃんと渡したいです。
3 ショコラ缶の試作
ショコラ缶をじっさいに試作するまでのあいだにも頭の中は缶のことでいっぱいでした。初めに私は完成したところをかなり具体的にする派なのでずっと書き続けてるレシピノートにぜんぶのクッキーが詰まったところの絵を描きました。かなりワクワクしました。 ・ココアのサブレディアマン(レシピあり、ザクザク) ・ガレット・ブルトンヌ(レシピあり、ザクザク) ・有機カカオニブのクッキー(レシピなし、サクポリ) ・トンカ豆のサブレ(レシピなし、サクホロ) ・クッキーショコラ(レシピなし、しっとりサク) いろいろな食感を入れたいので素材にあうように決めました。レシピなしのクッキーについて試作の少ない量でのレシピを書きます。 ガレット・ブルトンヌに発酵バターとアーモンドプードルが入るので、他のクッキーは無塩バターにします。トンカ豆のサブレは卵なしにしようかと思いましたがサラサラしてしまって成型しづらいので少し卵を入れるレシピにしました。トンカ豆は大きな黒いアーモンドのようなかたちをしてます。それをゼスターで削って少しだけ使うんですがほんの少しでもそれと分かる特徴的な香りがします。 全部生地ができたところで思いました。色のグラデーションができてない。ガレット・ブルトンヌをいちばん明るい色にしたい。右上に配置するこの缶の光だからです。だから、真ん中の有機カカオニブのクッキーはガレット・ブルトンヌよりは濃い色でココアのサブレとクッキーショコラよりは薄い、真ん中の色にしたい。 ということで次の試作では有機カカオニブのクッキーにココアパウダー(味の相性も良い相乗効果)を少しの割合で追加します。 それで、上手くいけば缶の下から右上に向かって夜が明けるようにだんだん明るくなる、そういうものをイメージしてます。
3 ショコラ缶の試作
ショコラ缶をじっさいに試作するまでのあいだにも頭の中は缶のことでいっぱいでした。初めに私は完成したところをかなり具体的にする派なのでずっと書き続けてるレシピノートにぜんぶのクッキーが詰まったところの絵を描きました。かなりワクワクしました。 ・ココアのサブレディアマン(レシピあり、ザクザク) ・ガレット・ブルトンヌ(レシピあり、ザクザク) ・有機カカオニブのクッキー(レシピなし、サクポリ) ・トンカ豆のサブレ(レシピなし、サクホロ) ・クッキーショコラ(レシピなし、しっとりサク) いろいろな食感を入れたいので素材にあうように決めました。レシピなしのクッキーについて試作の少ない量でのレシピを書きます。 ガレット・ブルトンヌに発酵バターとアーモンドプードルが入るので、他のクッキーは無塩バターにします。トンカ豆のサブレは卵なしにしようかと思いましたがサラサラしてしまって成型しづらいので少し卵を入れるレシピにしました。トンカ豆は大きな黒いアーモンドのようなかたちをしてます。それをゼスターで削って少しだけ使うんですがほんの少しでもそれと分かる特徴的な香りがします。 全部生地ができたところで思いました。色のグラデーションができてない。ガレット・ブルトンヌをいちばん明るい色にしたい。右上に配置するこの缶の光だからです。だから、真ん中の有機カカオニブのクッキーはガレット・ブルトンヌよりは濃い色でココアのサブレとクッキーショコラよりは薄い、真ん中の色にしたい。 ということで次の試作では有機カカオニブのクッキーにココアパウダー(味の相性も良い相乗効果)を少しの割合で追加します。 それで、上手くいけば缶の下から右上に向かって夜が明けるようにだんだん明るくなる、そういうものをイメージしてます。
2 ショコラ缶を作る
バレンタインにクッキー缶を復活させたいというのは昨年末から思いついていました。バレンタインなので中身はチョコをテーマにしようと思いました。特別感を出したいので缶の色を白からピンク色に変えました。ピンクの缶を開けると中はココアやチョコの濃い茶色が見えるという大人っぽいコントラストで行こうと思いました。 中身のクッキーは5種。 ファンの多いココアのサブレ・ディアマンを入れることは最初に決めました。 今回いちばんやってみたかったクッキー生地に溶かしチョコを練り込んで焼くサブレも入れます。食感がみっしりしっとりして薄焼きにしても面白いと思いました。 特別に使いたい素材としてカカオニブとトンカ豆をすぐ思いつきました。カカオニブは砕いたカカオ豆です。カリカリ食感とチョコになる前のカカオの風味がほろ苦い余韻を残してくれるはずです。そしてトンカ豆はいちど食べたら忘れられないアマレットのような香りがバレンタインの特別な心にぴったりだと思いました。トンカ豆というおとぼけネーミングからは想像もつかない味です。 全てがチョコの色だと印象が重くなります。ガレット・ブルトンヌを入れて見た目の抜け感をつくることにしました。ガレット・ブルトンヌの卵黄を塗った後に描く模様は太陽の光線だといいます。だから、ここは光。 試作の時間は短く限られてるので、初めに書くレシピの精度をあげていきます。 キビズのクッキー缶のイラストはオオノ・マユミさんに描いていただきました。今回もそのデザインです。 自由でいたいといっても、どう生きたいかがよく分からなくて長いこと暗闇の中でしたが最近見つかりました。それは「今の生活を守る」です。それ程私は今がいいと思ってるということです。その気分がキビズのショコラ缶には詰め込まれると思います。
2 ショコラ缶を作る
バレンタインにクッキー缶を復活させたいというのは昨年末から思いついていました。バレンタインなので中身はチョコをテーマにしようと思いました。特別感を出したいので缶の色を白からピンク色に変えました。ピンクの缶を開けると中はココアやチョコの濃い茶色が見えるという大人っぽいコントラストで行こうと思いました。 中身のクッキーは5種。 ファンの多いココアのサブレ・ディアマンを入れることは最初に決めました。 今回いちばんやってみたかったクッキー生地に溶かしチョコを練り込んで焼くサブレも入れます。食感がみっしりしっとりして薄焼きにしても面白いと思いました。 特別に使いたい素材としてカカオニブとトンカ豆をすぐ思いつきました。カカオニブは砕いたカカオ豆です。カリカリ食感とチョコになる前のカカオの風味がほろ苦い余韻を残してくれるはずです。そしてトンカ豆はいちど食べたら忘れられないアマレットのような香りがバレンタインの特別な心にぴったりだと思いました。トンカ豆というおとぼけネーミングからは想像もつかない味です。 全てがチョコの色だと印象が重くなります。ガレット・ブルトンヌを入れて見た目の抜け感をつくることにしました。ガレット・ブルトンヌの卵黄を塗った後に描く模様は太陽の光線だといいます。だから、ここは光。 試作の時間は短く限られてるので、初めに書くレシピの精度をあげていきます。 キビズのクッキー缶のイラストはオオノ・マユミさんに描いていただきました。今回もそのデザインです。 自由でいたいといっても、どう生きたいかがよく分からなくて長いこと暗闇の中でしたが最近見つかりました。それは「今の生活を守る」です。それ程私は今がいいと思ってるということです。その気分がキビズのショコラ缶には詰め込まれると思います。
1 せとぎわのキビズ
おかげさまで株式会社キビズも第5期をむかえました。決算のたびに思いますがそんなにすごい年商ではないけれど自分で作ったお菓子を自分で売ったというシンプルな行為だけで得ていると考えるとなかなかすごいものがあります。売上から原価や販売管理費や社会保険料や税金をひいてなんとかなっている事実に感謝です。みなさまほんとうにありがとうございます。 私はいま瀬戸際にいるなと思います。終わりよければすべてよしの精神でいい人生だったなと思えるかもしれない瀬戸際です。そう思うのは生きてきた中で今がいちばんいいと思うからです。人生で必要だと思うものの数がとても少ない性質ですが、きっとあともう少しです。ほんとになにもないところから始めたオカメサブレですが、今のわたしは時々こう思っています。もしかしたらほんとにオカメサブレはみんなが知ってるお菓子になれるのかもしれない、と。
1 せとぎわのキビズ
おかげさまで株式会社キビズも第5期をむかえました。決算のたびに思いますがそんなにすごい年商ではないけれど自分で作ったお菓子を自分で売ったというシンプルな行為だけで得ていると考えるとなかなかすごいものがあります。売上から原価や販売管理費や社会保険料や税金をひいてなんとかなっている事実に感謝です。みなさまほんとうにありがとうございます。 私はいま瀬戸際にいるなと思います。終わりよければすべてよしの精神でいい人生だったなと思えるかもしれない瀬戸際です。そう思うのは生きてきた中で今がいちばんいいと思うからです。人生で必要だと思うものの数がとても少ない性質ですが、きっとあともう少しです。ほんとになにもないところから始めたオカメサブレですが、今のわたしは時々こう思っています。もしかしたらほんとにオカメサブレはみんなが知ってるお菓子になれるのかもしれない、と。