オカメサブレをみんなが知ってるお菓子にするまで日記 第2章(2025年)

20 便利な手

20 便利な手

あっという間に7月になりました。夏がきました。2ヶ月ほどたくさん睡眠時間を取り、いい食事と運動を頑張っていたのでだいぶ健康になってきました。最低限の生活を守っていると回らないようなら仕事として成立してないのだろうと思うことにしました。改善すべきは仕事のやり方ですよね。さて今年もお誘いを受けたので新座のいいだ園さんへブルーベリーを摘みに行ってきました。(第1章「㉟ブルーベリーを摘む」参照)時期が早いので早生の品種の木から紫に色づいたブルーベリーをポロポロと摘んでいきます。小さな森のようになっているブルーベリー畑に入り午前中の青空の下、鳥の鳴き声を聞きながらブルーベリーをポロポロ取り続けていると、まあ今はゆっくりやろうという気になります。ブルーベリーを一粒つまんでちょっとひねるとポロッと取れます。すぐとれないならまだということ。枝は残さないように丸い実だけ取ります。続けているうちに右手で取ったブルーベリーを左手をお椀のようにしておいたところにためてたまったらケースに入れていくというのが一連の流れになりました。「なんか手って便利だなー」といきなり思いました。世の中に便利なものは多かれど、手もかなり便利であることよと思いながら帰りのバスに乗りました。ブルーベリーのカスタードタルトがおいしいのでしばらく通って摘んできます。7月からポイントカードを始めたりオカメサブレをもっと紹介していくことを頑張りたいと思っています。楽しみにお待ち下さい。

20 便利な手

あっという間に7月になりました。夏がきました。2ヶ月ほどたくさん睡眠時間を取り、いい食事と運動を頑張っていたのでだいぶ健康になってきました。最低限の生活を守っていると回らないようなら仕事として成立してないのだろうと思うことにしました。改善すべきは仕事のやり方ですよね。さて今年もお誘いを受けたので新座のいいだ園さんへブルーベリーを摘みに行ってきました。(第1章「㉟ブルーベリーを摘む」参照)時期が早いので早生の品種の木から紫に色づいたブルーベリーをポロポロと摘んでいきます。小さな森のようになっているブルーベリー畑に入り午前中の青空の下、鳥の鳴き声を聞きながらブルーベリーをポロポロ取り続けていると、まあ今はゆっくりやろうという気になります。ブルーベリーを一粒つまんでちょっとひねるとポロッと取れます。すぐとれないならまだということ。枝は残さないように丸い実だけ取ります。続けているうちに右手で取ったブルーベリーを左手をお椀のようにしておいたところにためてたまったらケースに入れていくというのが一連の流れになりました。「なんか手って便利だなー」といきなり思いました。世の中に便利なものは多かれど、手もかなり便利であることよと思いながら帰りのバスに乗りました。ブルーベリーのカスタードタルトがおいしいのでしばらく通って摘んできます。7月からポイントカードを始めたりオカメサブレをもっと紹介していくことを頑張りたいと思っています。楽しみにお待ち下さい。

19 低空飛行のよさ

19 低空飛行のよさ

東京もようやく梅雨入りが発表されました。ツバメが低く飛ぶと雨になるなど言いますが今日はシジュウカラも低空飛行していました。偶然かも知れませんがいつも高いところにいるのでよく見えるところにいてくれて嬉しかったです。梅雨入りすると雨の日が増えここから夏の終わりまで、お菓子やさんとしては辛い時期と思いこんでいましたが、考え方のころころ変わる私らしくいまは前向きに低空飛行を楽しんでいます。製造が追い込まれていないのなら早く帰ればいいし、平日に好きな試作もたくさんできるし、お菓子に関する本をじっくり読む時間もとれてるなあといいこともたくさんありました。プライベートではジムに行ったり友達に会う時間の余裕もできました。売上の数字は薄目で「へぇー、そういう感じ?」と把握するにとどめて、やがて来る繁忙期にもっとすてきなお菓子屋さんになれるよう備えておく季節ということにしました。考えの変わったことはもうひとつあって、製造スタッフを採用することはしばらく見送ります。原価高はじめ厳しい状況であることに変わりないですし、経営は動脈を切ったようにどぼどぼお金が出てゆく、と聞いたことありますがまさしくそのとおりでした。私のお菓子屋くらいの規模でしたらもっとも大きくのしかかるのは人件費(とそれにまつわる社会保険料)なのが明白です。ひとりでもいまの売上の倍までは行けると思っています。効率はあげるけれどおいしさは絶対に落とさない、いい材料だけ集めてシンプルにひとつひとつの作業を丁寧に行う、楽しく作る、これらを守ってしとしと雨にうたれつつ低空の景色をしばし楽しもうと思います。

19 低空飛行のよさ

東京もようやく梅雨入りが発表されました。ツバメが低く飛ぶと雨になるなど言いますが今日はシジュウカラも低空飛行していました。偶然かも知れませんがいつも高いところにいるのでよく見えるところにいてくれて嬉しかったです。梅雨入りすると雨の日が増えここから夏の終わりまで、お菓子やさんとしては辛い時期と思いこんでいましたが、考え方のころころ変わる私らしくいまは前向きに低空飛行を楽しんでいます。製造が追い込まれていないのなら早く帰ればいいし、平日に好きな試作もたくさんできるし、お菓子に関する本をじっくり読む時間もとれてるなあといいこともたくさんありました。プライベートではジムに行ったり友達に会う時間の余裕もできました。売上の数字は薄目で「へぇー、そういう感じ?」と把握するにとどめて、やがて来る繁忙期にもっとすてきなお菓子屋さんになれるよう備えておく季節ということにしました。考えの変わったことはもうひとつあって、製造スタッフを採用することはしばらく見送ります。原価高はじめ厳しい状況であることに変わりないですし、経営は動脈を切ったようにどぼどぼお金が出てゆく、と聞いたことありますがまさしくそのとおりでした。私のお菓子屋くらいの規模でしたらもっとも大きくのしかかるのは人件費(とそれにまつわる社会保険料)なのが明白です。ひとりでもいまの売上の倍までは行けると思っています。効率はあげるけれどおいしさは絶対に落とさない、いい材料だけ集めてシンプルにひとつひとつの作業を丁寧に行う、楽しく作る、これらを守ってしとしと雨にうたれつつ低空の景色をしばし楽しもうと思います。

18 はんぶん夏

18 はんぶん夏

 4月ともうすぐ終わる5月を振り返ってみました。記録する、思い出す、などはしない性質の私ですが、店を健全に運営していくにあたってがむしゃらにお菓子を焼くだけではダメでこういう作業が本当に大事だと感じます。ここ2ヶ月何よりも最優先したのが長時間労働しないことです。といっても10時間くらい店にいる日もあるし(しかし以前は16時間とか店にいました)週1休めればいいほうなのでまだまだ長いですが以前に比べたらずっと改善されました。立地上、売上を伸ばすにはただダラダラとお店を開けてても本当に意味がなく、短い営業時間でもそこで来ていただけるようにするにはどうしたらいいかずっと考えてます。いま尋常でない早起きにはまり朝5時半から仕事してるので閉店時間も15時と早めました。極端な自分をおさえられないため好きにさせています。まあいつものことですが、自分で自分を泳がせている状態です。閉店時間が早くて申し訳ないのですが、キビズの店はInstagramやLINEを見ていらっしゃるかたがほとんどです。なのでここは自分のしたいように設定してみようと若干覚悟を決めました。これから夏になると焼き菓子屋さんの売上はどうしても落ちます。以前はそれを通販で補おうとしていましたが考えを変えて店舗の売上は店舗で補填するべきかなと思っています。例えば雨が続いたらめちゃくちゃ天気のいい日をねらって臨時オープンするとか、ポイントカードを作ることもしたいなと思っています。この仕事を始めてから5月から10月位まで夏だと思って過ごしてます。ただ真夏の暑い日も梅雨の大雨の日も、お客さまが来なかったということはいちどもありません。ありがたいことです。本当にまじめにお菓子を作っているから応援していただけてると思うのでそこは変えないつもりです。そして今年も9月はひと月休むつもりでいます。全然売上は足りていませんが、やってみたいことがあるのと、そうしたことが選択肢としてあるというのが所属をはなれ自営業になったことの数少ないいいところだと思うからです。そして、たんじゅんに夏が好きだから外にいたいのです。

18 はんぶん夏

 4月ともうすぐ終わる5月を振り返ってみました。記録する、思い出す、などはしない性質の私ですが、店を健全に運営していくにあたってがむしゃらにお菓子を焼くだけではダメでこういう作業が本当に大事だと感じます。ここ2ヶ月何よりも最優先したのが長時間労働しないことです。といっても10時間くらい店にいる日もあるし(しかし以前は16時間とか店にいました)週1休めればいいほうなのでまだまだ長いですが以前に比べたらずっと改善されました。立地上、売上を伸ばすにはただダラダラとお店を開けてても本当に意味がなく、短い営業時間でもそこで来ていただけるようにするにはどうしたらいいかずっと考えてます。いま尋常でない早起きにはまり朝5時半から仕事してるので閉店時間も15時と早めました。極端な自分をおさえられないため好きにさせています。まあいつものことですが、自分で自分を泳がせている状態です。閉店時間が早くて申し訳ないのですが、キビズの店はInstagramやLINEを見ていらっしゃるかたがほとんどです。なのでここは自分のしたいように設定してみようと若干覚悟を決めました。これから夏になると焼き菓子屋さんの売上はどうしても落ちます。以前はそれを通販で補おうとしていましたが考えを変えて店舗の売上は店舗で補填するべきかなと思っています。例えば雨が続いたらめちゃくちゃ天気のいい日をねらって臨時オープンするとか、ポイントカードを作ることもしたいなと思っています。この仕事を始めてから5月から10月位まで夏だと思って過ごしてます。ただ真夏の暑い日も梅雨の大雨の日も、お客さまが来なかったということはいちどもありません。ありがたいことです。本当にまじめにお菓子を作っているから応援していただけてると思うのでそこは変えないつもりです。そして今年も9月はひと月休むつもりでいます。全然売上は足りていませんが、やってみたいことがあるのと、そうしたことが選択肢としてあるというのが所属をはなれ自営業になったことの数少ないいいところだと思うからです。そして、たんじゅんに夏が好きだから外にいたいのです。

17 早寝早起き

17 早寝早起き

 夜9時に寝るのにはまっています。ゴールデンウィーク後半から店のオープンを午前11時にすることに成功しました。品数が多すぎていたので数を絞り、シンプルで素材にこだわった本当に気に入りのお菓子だけ並べています。ひとつひとつのお菓子を「これこそキビズのお菓子だ!」という感じで作れていて愛着が増しました。オープンが早くなったので、以前より早起きする必要があります。いやもういっそのことめちゃくちゃ早く起きちゃえばいいのではないかということで4時に起きています。やはり極端な性質ですから、これくらいやらないと気が済まないわけです。1週間くらいでこの早寝早起きにわりと慣れてきました。電車は空いてますし集中力も違いますし、何より明るい時間に仕事が終わって帰れるのが嬉しいです。素材にこだわってお菓子を作っているのに自分の食事や生活がボロボロなことは良くないとずっと思っていました。健康は誰にでも必ずあるものでないことを知っていますから健康でなければだめだとは言いたくありませんが、仕事と普段の自分にあまり矛盾がないほうがいいなとは思います。食べることを楽しめる人が焼いたお菓子のほうがいいと思います。朝早くから仕事して3時に食べるおやつは本当においしかったです。お菓子って必要だな〜と思いました。午前中来てくださるお客さまは思っていたよりずっと多く売上も上がっています。いいことばかりです。ということで、私は夜を捨てました。この生活が続きますように。

17 早寝早起き

 夜9時に寝るのにはまっています。ゴールデンウィーク後半から店のオープンを午前11時にすることに成功しました。品数が多すぎていたので数を絞り、シンプルで素材にこだわった本当に気に入りのお菓子だけ並べています。ひとつひとつのお菓子を「これこそキビズのお菓子だ!」という感じで作れていて愛着が増しました。オープンが早くなったので、以前より早起きする必要があります。いやもういっそのことめちゃくちゃ早く起きちゃえばいいのではないかということで4時に起きています。やはり極端な性質ですから、これくらいやらないと気が済まないわけです。1週間くらいでこの早寝早起きにわりと慣れてきました。電車は空いてますし集中力も違いますし、何より明るい時間に仕事が終わって帰れるのが嬉しいです。素材にこだわってお菓子を作っているのに自分の食事や生活がボロボロなことは良くないとずっと思っていました。健康は誰にでも必ずあるものでないことを知っていますから健康でなければだめだとは言いたくありませんが、仕事と普段の自分にあまり矛盾がないほうがいいなとは思います。食べることを楽しめる人が焼いたお菓子のほうがいいと思います。朝早くから仕事して3時に食べるおやつは本当においしかったです。お菓子って必要だな〜と思いました。午前中来てくださるお客さまは思っていたよりずっと多く売上も上がっています。いいことばかりです。ということで、私は夜を捨てました。この生活が続きますように。

16 かっぱ橋へ行く

16 かっぱ橋へ行く

 3月の業績が良かったので、課題もたくさんありますがひとまずご褒美にかっぱ橋でお買い物してきました。ご褒美がなくても気にならない性質ですがこれからはどんどん自分のことも甘やかして行きたいと思います。私は小学生の頃かっぱ橋の近所に住んでいました。田原町から歩いてニイミのでっかいコックさんが見えると懐かしくて嬉しくなります。大人になってこの町へ仕事の買い出しに来ることになるとは思っていませんでした。専門店が並ぶ通りはコックコートが格安になっていたり昔ながらの竹篭やざるが並んでいてどのお店も立ち止まらずにいられません。私はクッキータワーで有名な馬嶋屋さんとカモメ(?)の看板がかわいい吉田菓子道具店がお気に入りでだいたいそこで必要なものを吟味して買います。何個も買い足してる気に入りの道具は馬嶋屋別注のスパチュラです。ほどよい硬さがなんとも使いやすいです。フィナンシェ型を追加で買いたかったのとレモンの形のクッキー型が欲しかったので買いました。ハンドミキサーを使うとき浅いと飛び散るので深さのあるボウルも追加で買いました。店の買い物では使うか使わないか分からないものを買うことはないです。自己資金100万円のみで店を作ったオープン当時からそのように決めています。足りないくらいでいつも過ごしてて欲しいものがよっぽど明確になったところで買うのが良いです。お金を稼ぐ大変さをよく知っていますから、使わないものを買いたくないのもありますが、それだけでなくてそうやってふさわしい道具を選ぶのも大事な仕事の一つだと思うからです。お気に入りの道具たちに囲まれてお菓子を作るのは幸せです。そんな気持ちも伝われば嬉しく思います。

16 かっぱ橋へ行く

 3月の業績が良かったので、課題もたくさんありますがひとまずご褒美にかっぱ橋でお買い物してきました。ご褒美がなくても気にならない性質ですがこれからはどんどん自分のことも甘やかして行きたいと思います。私は小学生の頃かっぱ橋の近所に住んでいました。田原町から歩いてニイミのでっかいコックさんが見えると懐かしくて嬉しくなります。大人になってこの町へ仕事の買い出しに来ることになるとは思っていませんでした。専門店が並ぶ通りはコックコートが格安になっていたり昔ながらの竹篭やざるが並んでいてどのお店も立ち止まらずにいられません。私はクッキータワーで有名な馬嶋屋さんとカモメ(?)の看板がかわいい吉田菓子道具店がお気に入りでだいたいそこで必要なものを吟味して買います。何個も買い足してる気に入りの道具は馬嶋屋別注のスパチュラです。ほどよい硬さがなんとも使いやすいです。フィナンシェ型を追加で買いたかったのとレモンの形のクッキー型が欲しかったので買いました。ハンドミキサーを使うとき浅いと飛び散るので深さのあるボウルも追加で買いました。店の買い物では使うか使わないか分からないものを買うことはないです。自己資金100万円のみで店を作ったオープン当時からそのように決めています。足りないくらいでいつも過ごしてて欲しいものがよっぽど明確になったところで買うのが良いです。お金を稼ぐ大変さをよく知っていますから、使わないものを買いたくないのもありますが、それだけでなくてそうやってふさわしい道具を選ぶのも大事な仕事の一つだと思うからです。お気に入りの道具たちに囲まれてお菓子を作るのは幸せです。そんな気持ちも伝われば嬉しく思います。

15 品数を絞ります

15 品数を絞ります

 お店に並べるお菓子の種類を減らします。今のままの長時間労働ではお店を続けることができないためずっと考えていたのですが「あれもこれも」の時代はもうお終いにしようと思います。半分以下に厳選します。何を販売するのかというところにいちばんお店の考えが出ると思います。私はオカメサブレは別格として有機栽培のレモンを使ったお菓子のシリーズは最後まで残します。オカメサブレで卵黄のみ使うので卵白だけで作るフィナンシェも残します。できるだけシンプルにしたいです。そしてこれが大事なところですが、お菓子の種類が減っても以前よりお客様のよろこびが増えるにはどうしたら良いかを考える必要があります。そしてその喜んでほしいお客様とはどんな方なのか、じっくり考える局面です。100人中100人に好かれようとしてたとこがあったのかも知れないからよく考えるとやっぱり「なにひとつないところからオカメサブレでお店を作り、だれだって自分の仕事は自分で作れるし、それによって世の中に楽しい時間を増やそうと本気で奮闘している」店だということを知ってくださってる方でないかと思います。こう書くこともお客様を選別するようでかなり勇気がいることです。2023年9月に夏休みをひと月とってロンドンで過ごしていたとき予約の分しか作らないベーカリーがたくさんあると気づきました。コロナ以降増えたスタイルだそうで「面倒じゃないの?」と最初は思いましたが今はお客様にとっては欲しいものが購入できるしお店も作りすぎることがなくどちらにとっても思いやりのあるやり方だと思うようになりました。経営面から見てもロスがない分価格を下げられるし、製造計画が立てやすいので労働時間が減り品質も上がります。売れるかどうか分からないものを作るのは経営ではなくギャンブルです。具体的にはスコーンは予約の分のみ焼くとかタルトは1種類にしてホール予約ができることをもっと伝えていくなどです。お誕生日など特別な日に食べたいと思うものっていつも食べてる大好きな味なんじゃないかと思うからです。お菓子は必需品ではないかもしれないが、豊かな生活には欠かせないと信じて店を残すための選択をしていくのみです。

15 品数を絞ります

 お店に並べるお菓子の種類を減らします。今のままの長時間労働ではお店を続けることができないためずっと考えていたのですが「あれもこれも」の時代はもうお終いにしようと思います。半分以下に厳選します。何を販売するのかというところにいちばんお店の考えが出ると思います。私はオカメサブレは別格として有機栽培のレモンを使ったお菓子のシリーズは最後まで残します。オカメサブレで卵黄のみ使うので卵白だけで作るフィナンシェも残します。できるだけシンプルにしたいです。そしてこれが大事なところですが、お菓子の種類が減っても以前よりお客様のよろこびが増えるにはどうしたら良いかを考える必要があります。そしてその喜んでほしいお客様とはどんな方なのか、じっくり考える局面です。100人中100人に好かれようとしてたとこがあったのかも知れないからよく考えるとやっぱり「なにひとつないところからオカメサブレでお店を作り、だれだって自分の仕事は自分で作れるし、それによって世の中に楽しい時間を増やそうと本気で奮闘している」店だということを知ってくださってる方でないかと思います。こう書くこともお客様を選別するようでかなり勇気がいることです。2023年9月に夏休みをひと月とってロンドンで過ごしていたとき予約の分しか作らないベーカリーがたくさんあると気づきました。コロナ以降増えたスタイルだそうで「面倒じゃないの?」と最初は思いましたが今はお客様にとっては欲しいものが購入できるしお店も作りすぎることがなくどちらにとっても思いやりのあるやり方だと思うようになりました。経営面から見てもロスがない分価格を下げられるし、製造計画が立てやすいので労働時間が減り品質も上がります。売れるかどうか分からないものを作るのは経営ではなくギャンブルです。具体的にはスコーンは予約の分のみ焼くとかタルトは1種類にしてホール予約ができることをもっと伝えていくなどです。お誕生日など特別な日に食べたいと思うものっていつも食べてる大好きな味なんじゃないかと思うからです。お菓子は必需品ではないかもしれないが、豊かな生活には欠かせないと信じて店を残すための選択をしていくのみです。