お店に並べるお菓子の種類を減らします。今のままの長時間労働ではお店を続けることができないためずっと考えていたのですが「あれもこれも」の時代はもうお終いにしようと思います。半分以下に厳選します。何を販売するのかというところにいちばんお店の考えが出ると思います。私はオカメサブレは別格として有機栽培のレモンを使ったお菓子のシリーズは最後まで残します。オカメサブレで卵黄のみ使うので卵白だけで作るフィナンシェも残します。できるだけシンプルにしたいです。そしてこれが大事なところですが、お菓子の種類が減っても以前よりお客様のよろこびが増えるにはどうしたら良いかを考える必要があります。そしてその喜んでほしいお客様とはどんな方なのか、じっくり考える局面です。100人中100人に好かれようとしてたとこがあったのかも知れないからよく考えるとやっぱり「なにひとつないところからオカメサブレでお店を作り、だれだって自分の仕事は自分で作れるし、それによって世の中に楽しい時間を増やそうと本気で奮闘している」店だということを知ってくださってる方でないかと思います。こう書くこともお客様を選別するようでかなり勇気がいることです。2023年9月に夏休みをひと月とってロンドンで過ごしていたとき予約の分しか作らないベーカリーがたくさんあると気づきました。コロナ以降増えたスタイルだそうで「面倒じゃないの?」と最初は思いましたが今はお客様にとっては欲しいものが購入できるしお店も作りすぎることがなくどちらにとっても思いやりのあるやり方だと思うようになりました。経営面から見てもロスがない分価格を下げられるし、製造計画が立てやすいので労働時間が減り品質も上がります。売れるかどうか分からないものを作るのは経営ではなくギャンブルです。具体的にはスコーンは予約の分のみ焼くとかタルトは1種類にしてホール予約ができることをもっと伝えていくなどです。お誕生日など特別な日に食べたいと思うものっていつも食べてる大好きな味なんじゃないかと思うからです。お菓子は必需品ではないかもしれないが、豊かな生活には欠かせないと信じて店を残すための選択をしていくのみです。
