8 クラシック缶の試作

8 クラシック缶の試作

 レモンはキビズでいちばん使うフルーツです。年間100キロ近く使ってると思います。レモンのサブレはよつ葉バター、グラニュー糖、ゲランドの塩、レモンの果汁、レモンゼスト(すりおろした皮)、小麦粉というシンプルな材料でできています。私はグラニュー糖にレモンゼストを入れてよく混ぜます。こうすると香りがよく残ります。混ぜ合わせたレモン色の砂糖を見るとミモザを連想します。クッキーは材料が同じでも焼く温度でかなりの差が出る焼き菓子です。レモンのサブレは香りと色を残すように、150-120℃を切り替えながら18分かけて焼いています。

 アールグレイのサブレにはイギリスのクリッパーというオーガニック紅茶を使っています。もうずっと前ですが初めてイギリスに行った時に見つけてパッケージがかわいくて買ったことを覚えています。お菓子を紅茶の味にしたいとき、ただ粉といっしょに紅茶を入れても全然香りがしませんでした。どうしたらいいのかずっと考えていました。紅茶の香りがいつするのか考えたらお湯を入れたときだからなんらかの熱い液体で煮出すことにしました。サブレのときは大きな鍋にポンドバターをどんどん、と何個も入れて溶かしてたところにアールグレイの茶葉を入れて煮出します。すぐいい香りがしてきます。その紅茶バターを使って生地を作ります。こちらは焼きすぎても香りは残りますが、いっぱい残したいので温度を研究して160℃で焼いています。

 ピスタチオとレモンとベルガモットグラスのクッキーは今回いちばんポイントになるクッキーです。食感としてはガレットブルトンヌのようなザクホロがバランスいいと思いましたので、バターの練り方をガレットブルトンヌをするときのやり方に倣いました。そうやって材料を置き換えたり作業の細かいポイントをスライドして別のお菓子を作ることが多いです。ピスタチオパウダーとペーストどちらも試してピスタチオパウダーだと今回めざしてる食感が出るので選びました。厚みは5mmと10mm試して10mmにしました。食べ応えがあって割った時のグリーンの面積も大きいからです。このクッキーは焼いた後の仕上げがあります。ベルガモットとレモンの果汁をブレンドしてつくったグラスアローをかけてまた焼きます。ピスタチオの塩気も感じる濃厚な味わいに柑橘の酸味がほんの少し混ざっておいしくなりました。このクッキーは5月のイメージである緑と黄色をつめこみました。

 試作はかけた時間のわりにできるお菓子の量が少なくて、大量生産に慣れてしまった私はこの期間は終わるのか、できるのか、体力は持つのか、と少しそわそわします。

 

ブログに戻る