4 キビズのシュトレン2025
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遅めの夏休みも後半は店に出勤して仕込みを開始していました。届いたばかりのベルガモットから果汁を絞り皮でベルガモットピールを作りました。キビズの柑橘のピールはすべて手作りです。基本的には苦みをとるための茹でこぼし、砂糖の半量を加えて煮る、冷ましてさらに加糖して煮る、冷ましてシロップだけ煮詰めてそこに皮を戻す、これを何日かかけて繰り返すと皮が透き通ってくるのでそこまでできたら100度のオープンで1時間くらい乾かしてドライにします。ベルガモットは苦みがあるので心配しましたがなにしろ香りが唯一無二で華がある。かえってアクセントになってほんの少しでも存在感があります。シュトレン再試作のまえにフルーツの配合をベルガモット入れるバージョンで練り直しました。レモン30:オレンジ25:ベルガモット10:クランベリ5:いちじく10でいきます。これがハーモニーです。さて粉と牛乳卵イーストまぜてこねこね、フルーツいれてこねこね。なれた手順でシュトレンをオーブンにいれたところで気づいてしまいました。あゝ、ナツメグとカルダモンを入れ忘れたやうだ…。いやなんかい同じことするんだ自分!と怒りを自分にぶつけました。ただキビズの店には職人はこの人しかいませんから大事にしていきたいので1分くらいで怒りは忘れました。それに前回の試作で思っていたパンでいったらクラストの部分に欲しいと思っていたガリっと感はでました。高温の時間を延ばし最後だけ焦げすぎないようにアルミホイルで守って焼きました。その3日後にきちんとスパイスをいれてまたシュトレンを焼きました。3日後の試食でレモン、オレンジ、ベルガモットのバランスがすごくいいと思いました。3種の柑橘が主役で、小さく刻むことにしたクランベリーといちじくも時々でてきて、ほんのりナツメグとカルダモンが香りました。食感も外側がザクっとしてて中はしっとり、「わーおいしいな」と思いました。1週間後にまた試食しましたらスパイスの香り方がバターとなじんでるのかまろやか感がでてて「これはほんとにおいしいな!」と思いました。私の今年最大の挑戦でしたがこんなにがんばれていいものができてお客様も「シュトレンやるんですか?楽しみです!」とか「ブログ読んでます!」と言ってくださって、私はすごく私の作るお菓子で誰かの時間がほんの少しでも楽しくなればいいといつも思ってるけど、それは人生の時間はそんな楽しいことばかりじゃないと知ってるからです。ですが私のほうがいつもよろこばせていただいているので、キビズにはやさしいお客様ばかりだと思います。今年の終わりに感謝をこめて、キビズのシュトレンをお届けいたします。