1 キビズのシュトレン日記

1 キビズのシュトレン日記

 今年は「シュトレン」を作りたいと思っています。ドイツの伝統的なクリスマスのお菓子ですが日本でとても人気があります。お菓子というよりパンのような作り方をするので、私はたまーにりんごやぶどうの酵母でパンを焼いたりするけれど仕事にできるような量はできないから躊躇しておりました。天然酵母はひとまずさておきイーストを使いシュトレンを作ろうと思います。作るにあたってやはり本を買いました。まるまる一冊「シュトレン」について書かれてるものを読んでましたら知らないことがたくさん書いてありました。あの雪山みたいな形が幼子イエスさまがおくるみに包まれてるようすであるとか、もともとアドベント(クリスマス前の4週間)はバターとかを食べない期間だったのにドレスデンの選帝侯(大名的な人か?)がそのときのローマ法王にあてて「バターをつかってもいいですか」というような(ざっくりですみません)手紙を書いて「いいですよ」とされて(「バター書簡」というらしいです)バターで作れるようになった、とか、シュトレンを名乗るには粉に対して具(ドライフルーツ)やバターの割合まで決められてるとか、です。焼き菓子はヨーロッパ(だけではないけど自分の作るお菓子はという意味です)の歴史と文化の勉強になって面白いなあと日々思います。苦労して使えるようになったらしいバターですから、なんというか「しっかりつかってこー!」という気になります。シュトレンの作り方はドライフルーツをラム酒などにつけておいてそれをイースト生地に混ぜ込んで焼きバターをしみこませて粉糖をまぶす、というものでした。それでは試作に取り掛かります。私はお菓子を作るとき最初に完成したところをかなり具体的に決めます。キビズではレモンピールもオレンジピールも手作りのものがありますから、それはお店の顔として主役級にしようと思いました。好き嫌いの分かれるレーズンはなしで、クランベリーといちじくにします。漬け込みのお酒はダークじゃなくてクリアな色を求めてホワイトラムにします。スパイスは犬のようにくんくん嗅ぎながらカルダモン(柑橘との相性がよい)とナツメグを採用することにしました。シナモンも好き嫌いが分かれるのでやめて、クローブは迷いましたがいったん保留です。主役は柑橘でふわっとスパイス、でいきたいです。本日はレモンピール200g、オレンジピール200g、クランベリー100g、いちじく100g、をホワイトラムに漬け込みレモンとオレンジにはカルダモンをつぶして入れました。伝統的には全部の具をいっしょに漬け込むようでしたが考えた末それぞれの具がはっきりわかって欲しいことと、まだ具材の割合を決めていないので調整もしやすいことから別々に漬け込みました。漬け込むときは前は瓶に入れてましたがジップロックや平たいバットでするとお酒が余らずにいいです。漬け込み終わりましたらイースト生地の試作をしたいと思います。いつもの仕込みや製造の合間にしますので時間をとるのは大変ですが、小さな一歩でもやらないことには前進なしです。それでは今日のところはここまで。クリスマスまで続くわくわくを手に入れて喜んでいます。

ブログに戻る