私のフランス日記

私のフランス日記 パリ編

私のフランス日記 パリ編

私のフランス日記 Mon Journal en France パリ編 1日目  私は飛行機が怖いので本当は乗りたくない。機内持ち込みのカバンの中に濡れマスク、のど飴、スリッパなど万全のつもりだったが座席上の収納に入れたカバンが奥の方にいってしまって取れない。薬の時間なので困った。乗務員さんが来たのでフランス語ドリルで学んだ「塩をとっていただけますか?」という例文を応用して「私のカバンをとっていただけませんか?」とフランス語で言ってみたら通じて嬉しかった。フランス語をどれくらい勉強したの?と聞かれて「ドゥモワ(2か月)」と言ったら隣の座席のフランス人たちも一緒に驚いていた。エールフランスは欲しければお菓子がもらえるので機内の後ろの方へ行ってはチョコをもらったりどら焼きをもらったりした。乗務員さんは決して適当によこさないで甘いのがいいのか塩っぱいのがいいのかアンコは好きなのかと真剣に聞いてくれる感じがとても良かった。ブールとかサレとか書いてあるクッキーがやたらおいしかった。「プラダを着た悪魔2」を観ながら少し寝た。  シャルル・ド・ゴール空港には定刻に到着した。日本で予約しておいたタクシーの運転手が来ておらず電話したりWhatsApp したりしたが連絡がつかないので空港のタクシー乗り場から乗ることにした。空港から左岸まで65ユーロと公式に決まっているらしいので安心した。  タクシーの運転手さんはよくしゃべってくれた。 「どこから来ましたか?」 「日本です」 「日本が好きです」 「日本のどこが好きですか?」 「家や景色、伝統的な衣装が好きです」  フランス語が聞き取れないし聞き取れても単語が分からない状態なので何回も聞き直すが嫌な顔ひとつしないでiPhoneの Google翻訳を使ってくれた。見せてくれたiPhoneの画面に「日本の女性は美しいです。あなたがその証拠です」と書いてあった。私は「メルシー。超嬉しいです」とごきげんになった。  エアビーは古い建物だけど掃除が行き届いててきれいだった。階段が恐ろしく急で大きいスーツケースを持って怖がりながら登った。部屋の中もシンプルでベッドと大きなソファ、木のダイニングテーブル、白く塗られた漆喰の壁がとても好みだった。中庭に面して同じ大きさの細長い大きな窓がふたつ並んでいる。開けると一本のプラタナスの木が見える。長旅を終えてようやくくつろいだ。窓を閉めようとしたら緑色のカマキリみたいな虫が部屋に入ってきて「ウギャ!」と叫び声を中庭に響かせてしまった。コップを緑の虫にかむせて鍋のフタで押さえて窓の外へ逃した。予約したタクシー会社にドライバーが来なくて悲しかったと伝えたらすぐ返金してくれた。少し蒸し暑かったけど窓を閉めてシャワーを浴びてから寝た。 2日目  時差ぼけであまり眠れなかったが東京にいる時と同様早起きすることにした。すぐ近くのブーランジェリーが6時半に開くのでパンを買いに行った。うす暗い道を歩いて明るい店に入った。クロワッサンは大きくて焼きたてで温かくて歩きながらあっという間に食べてしまった。バターと生地の作る層が薄く何枚も重なってるのが分かる。おいしくて一気に元気になった。7時にマルシェが開いたのでそこにも寄っていちじくとアプリコットを買った。カードが使えなかったけれど現金を少し持っていてよかった。フランスのいちじくは小ぶりで黒くて甘くておいしい。アプリコットは日本で20kg仕入れて種まで杏仁豆腐にして使い切ってきたばかりなのについ買ってしまった。すぐ齧ったけどそんなに甘くない。  食後は洗濯した。バスルームにある洗濯機はコンパクトで場所をとらずドラム式だけど開くのは円柱の平面の部分ではなく曲面側なのが慣れなかった。ぷにぷにしたゼリーみたいなものが置いてあり多分洗剤だろうと思って服と一緒に放り込んだ。洗濯の温度や服の素材が選べるのでとりあえずsynthétiques30℃を選択してスタートした。残り50分の表示がでて洗濯が始まった。洗濯物を干したら散歩する。  エアビーをでてモンパルナス通りに向かって歩く。たくさんのカフェやブラッセリーがあるのを通り過ぎてリュクサンブール公園に入る。天文台噴水は地球みたいなものを4人の人が持ち上げていてそこに向かって亀たちが口からかなり勢いよく水を吐いてて気に入った。  町並みがきれいなので1時間くらいただただ歩いてしまう。パンテオンを通ってセーヌ川に着くと人がたくさんいる。Jellycatのぬいぐるみを買うと決めていたのでオペラ通りを歩いてギャラリーラファイエットへ行った。ドーム型の天井がある大きいデパートで少し迷った。Jerrycatの店はとても混んでいてみんなクロワッサンにするかカヌレにするかマカロンにするか悩んでいた。私は迷わずタルト・シトロンを選んだ。この夏、お店でたくさん作ったから。レジの女性に「どこから来たんですか?」と聞かれて「東京です。お菓子屋をしていてタルト・シトロンをたくさん作りました」と言ったら喜んでくれた。  グルメ館ものぞいた。バターだけでものすごい種類がある。日本でエシレが有名だけどパリだと他のものよりすごく高いということもなく小さなものは2ユーロくらいで売っていた。迷った末、イズニーの発酵バターでAOP、塩入、撹拌タイプに決めた。滞在が短いしバターは多分これしか買わないだろうから真剣に決めた。デパ地下を出るとぐったりする。  町中でケーキやチョコも買って時差ぼけで眠いので16時くらいにはエアビーに戻った。洗濯物はよく乾いていた。ソファでゴロゴロしながらコーヒーを飲みケーキを食べて扇風機の風を浴びていたら眠ってしまった。 3日目  昼寝と時差ぼけのせいでまた眠れなかったが6時半にブーランジェリーへ行きバゲット・トラディショナルを買った。焼きたてで温かい。私はすでに毎朝6時半にパンを持ってパリを歩く女になっていた。  トラディショナルを買ったから朝ごはんはジャンボンブールにした。昨日エアビーのすぐ隣にある肉屋さんで切ってもらったフランス産のジャンボンとイズニーの有塩バターを塗っただけなのにとてもおいしかった。オムレットも焼いた。マグカップに卵2個を割り入れて少し水を入れる。塩を振ってフォークで混ぜる。フライパンを十分に温めてからバターを溶かす。そこに卵をジュッと流す。フォークで混ぜ混ぜしてすぐ火を止める。あとは予熱で完成するから形をオムレツらしく整えてお皿にひっくり返す。ふんわり半熟のオムレツができた。バターに塩気があるので明日は卵に入れる塩を控えめにしようと思った。  洗濯はcotton30℃にしてみた。これだと30分で終わるらしい。残り5個あるアプリコットを加糖してコンフィチュールを作ることにした。半分に切って種を取り砂糖はないが角砂糖があったので種があったところにむぎゅっと押し込んだ。浸透圧で角砂糖が溶けてきたころ火にかけて炊いた。日本で作った時より皮が固くて火にかけても残る感じだった。できた杏のコンフィチュールは明日の朝ごはんにしようと思った。...

私のフランス日記 パリ編

私のフランス日記 Mon Journal en France パリ編 1日目  私は飛行機が怖いので本当は乗りたくない。機内持ち込みのカバンの中に濡れマスク、のど飴、スリッパなど万全のつもりだったが座席上の収納に入れたカバンが奥の方にいってしまって取れない。薬の時間なので困った。乗務員さんが来たのでフランス語ドリルで学んだ「塩をとっていただけますか?」という例文を応用して「私のカバンをとっていただけませんか?」とフランス語で言ってみたら通じて嬉しかった。フランス語をどれくらい勉強したの?と聞かれて「ドゥモワ(2か月)」と言ったら隣の座席のフランス人たちも一緒に驚いていた。エールフランスは欲しければお菓子がもらえるので機内の後ろの方へ行ってはチョコをもらったりどら焼きをもらったりした。乗務員さんは決して適当によこさないで甘いのがいいのか塩っぱいのがいいのかアンコは好きなのかと真剣に聞いてくれる感じがとても良かった。ブールとかサレとか書いてあるクッキーがやたらおいしかった。「プラダを着た悪魔2」を観ながら少し寝た。  シャルル・ド・ゴール空港には定刻に到着した。日本で予約しておいたタクシーの運転手が来ておらず電話したりWhatsApp したりしたが連絡がつかないので空港のタクシー乗り場から乗ることにした。空港から左岸まで65ユーロと公式に決まっているらしいので安心した。  タクシーの運転手さんはよくしゃべってくれた。 「どこから来ましたか?」 「日本です」 「日本が好きです」 「日本のどこが好きですか?」 「家や景色、伝統的な衣装が好きです」  フランス語が聞き取れないし聞き取れても単語が分からない状態なので何回も聞き直すが嫌な顔ひとつしないでiPhoneの Google翻訳を使ってくれた。見せてくれたiPhoneの画面に「日本の女性は美しいです。あなたがその証拠です」と書いてあった。私は「メルシー。超嬉しいです」とごきげんになった。  エアビーは古い建物だけど掃除が行き届いててきれいだった。階段が恐ろしく急で大きいスーツケースを持って怖がりながら登った。部屋の中もシンプルでベッドと大きなソファ、木のダイニングテーブル、白く塗られた漆喰の壁がとても好みだった。中庭に面して同じ大きさの細長い大きな窓がふたつ並んでいる。開けると一本のプラタナスの木が見える。長旅を終えてようやくくつろいだ。窓を閉めようとしたら緑色のカマキリみたいな虫が部屋に入ってきて「ウギャ!」と叫び声を中庭に響かせてしまった。コップを緑の虫にかむせて鍋のフタで押さえて窓の外へ逃した。予約したタクシー会社にドライバーが来なくて悲しかったと伝えたらすぐ返金してくれた。少し蒸し暑かったけど窓を閉めてシャワーを浴びてから寝た。 2日目  時差ぼけであまり眠れなかったが東京にいる時と同様早起きすることにした。すぐ近くのブーランジェリーが6時半に開くのでパンを買いに行った。うす暗い道を歩いて明るい店に入った。クロワッサンは大きくて焼きたてで温かくて歩きながらあっという間に食べてしまった。バターと生地の作る層が薄く何枚も重なってるのが分かる。おいしくて一気に元気になった。7時にマルシェが開いたのでそこにも寄っていちじくとアプリコットを買った。カードが使えなかったけれど現金を少し持っていてよかった。フランスのいちじくは小ぶりで黒くて甘くておいしい。アプリコットは日本で20kg仕入れて種まで杏仁豆腐にして使い切ってきたばかりなのについ買ってしまった。すぐ齧ったけどそんなに甘くない。  食後は洗濯した。バスルームにある洗濯機はコンパクトで場所をとらずドラム式だけど開くのは円柱の平面の部分ではなく曲面側なのが慣れなかった。ぷにぷにしたゼリーみたいなものが置いてあり多分洗剤だろうと思って服と一緒に放り込んだ。洗濯の温度や服の素材が選べるのでとりあえずsynthétiques30℃を選択してスタートした。残り50分の表示がでて洗濯が始まった。洗濯物を干したら散歩する。  エアビーをでてモンパルナス通りに向かって歩く。たくさんのカフェやブラッセリーがあるのを通り過ぎてリュクサンブール公園に入る。天文台噴水は地球みたいなものを4人の人が持ち上げていてそこに向かって亀たちが口からかなり勢いよく水を吐いてて気に入った。  町並みがきれいなので1時間くらいただただ歩いてしまう。パンテオンを通ってセーヌ川に着くと人がたくさんいる。Jellycatのぬいぐるみを買うと決めていたのでオペラ通りを歩いてギャラリーラファイエットへ行った。ドーム型の天井がある大きいデパートで少し迷った。Jerrycatの店はとても混んでいてみんなクロワッサンにするかカヌレにするかマカロンにするか悩んでいた。私は迷わずタルト・シトロンを選んだ。この夏、お店でたくさん作ったから。レジの女性に「どこから来たんですか?」と聞かれて「東京です。お菓子屋をしていてタルト・シトロンをたくさん作りました」と言ったら喜んでくれた。  グルメ館ものぞいた。バターだけでものすごい種類がある。日本でエシレが有名だけどパリだと他のものよりすごく高いということもなく小さなものは2ユーロくらいで売っていた。迷った末、イズニーの発酵バターでAOP、塩入、撹拌タイプに決めた。滞在が短いしバターは多分これしか買わないだろうから真剣に決めた。デパ地下を出るとぐったりする。  町中でケーキやチョコも買って時差ぼけで眠いので16時くらいにはエアビーに戻った。洗濯物はよく乾いていた。ソファでゴロゴロしながらコーヒーを飲みケーキを食べて扇風機の風を浴びていたら眠ってしまった。 3日目  昼寝と時差ぼけのせいでまた眠れなかったが6時半にブーランジェリーへ行きバゲット・トラディショナルを買った。焼きたてで温かい。私はすでに毎朝6時半にパンを持ってパリを歩く女になっていた。  トラディショナルを買ったから朝ごはんはジャンボンブールにした。昨日エアビーのすぐ隣にある肉屋さんで切ってもらったフランス産のジャンボンとイズニーの有塩バターを塗っただけなのにとてもおいしかった。オムレットも焼いた。マグカップに卵2個を割り入れて少し水を入れる。塩を振ってフォークで混ぜる。フライパンを十分に温めてからバターを溶かす。そこに卵をジュッと流す。フォークで混ぜ混ぜしてすぐ火を止める。あとは予熱で完成するから形をオムレツらしく整えてお皿にひっくり返す。ふんわり半熟のオムレツができた。バターに塩気があるので明日は卵に入れる塩を控えめにしようと思った。  洗濯はcotton30℃にしてみた。これだと30分で終わるらしい。残り5個あるアプリコットを加糖してコンフィチュールを作ることにした。半分に切って種を取り砂糖はないが角砂糖があったので種があったところにむぎゅっと押し込んだ。浸透圧で角砂糖が溶けてきたころ火にかけて炊いた。日本で作った時より皮が固くて火にかけても残る感じだった。できた杏のコンフィチュールは明日の朝ごはんにしようと思った。...