④栗の季節

④栗の季節

ひとつのスケッチブックにすべてを書き残しています。メモ帳だと捨ててしまうしパソコンのなかもぐちゃぐちゃだからです。手書きで自分以外の人には何が書いてあるかわからない文字や図を書き記していますが秩序があるとしたら時間の経過とともにページが進んでいくことです。めくっていくと季節が移ろいゆきます。レモン、杏、オレンジ、ブルーベリー、りんご、そして栗。今年も飯田さんから栗を仕入れてきました。さてどうしたものかと思うところですが2023年のノートを見ると「冷凍できる。出しっぱなしがいちばんよくない」と書いてあったのでまず1キロ渋皮煮を仕込むことにして残りは冷凍ストッカーに入れました。頑張りすぎるとヘルニアが痛むので金言でした。ところで味がしみるってなんのことなのか。私はよく料理の説明で「浸透圧で味がしみて」とあるのがとにかく気になってしかたなかった。高校の生物で習ったとき浸透圧で移動するのは水(というか溶媒)だと覚えたからです。味が移動するのは別の説明じゃないのかと思いました。相当しつこく調べて意外とこんな毎日の料理で起きてるような現象もちゃんと説明できる人いないのかもと思いました。今のところ砂糖を入れた後のポイントは高温で長時間煮続けることと思っています。こんな小さなことでもとにかく正解が知りたい。そのほうが絶対にきれいにおいしく作れるからです。いや、それもあるけど単に気になって気になって仕方のなくなる性質を持っています。今年は栗の渋皮煮でパウンドケーキを作ることにしました。今まで作った色々なパウンドケーキのレシピを見て試作のレシピを決めます。レシピを書くのは楽しい作業です。数字をいい感じにできると嬉しくなりますが、理論がきれいでも現実に焼いてみて上手くいかなかったら使えないレシピなのでソワソワしながら試作が焼き上がるのを待ちます。最近は大失敗することもなくそれはいいことなのですが「なんか上手になっちゃって」という気持ちになったりします。

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